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#28 

WebCMで、最新シネカメラのAU-EVA1を使ってみた |映像制作・動画制作ブログ


2018.3.19

ディレクターの市原です。
 
さて今回とあるクライアント様の撮影で、はじめてのカメラを使用しました。

Panasonicが出した、新型のコンパクトシネマカメラ「AU-EVA1」

 

AU-EVA1 映像制作・動画制作ブログ

 
まだネットにそこまでライトユーザーの感想がないので、今回はちょっとした使用感をお伝えします。
ぶっちゃけ私、メインがディレクター、プランナーで、撮影部さんほど知識や技術はなく、普段は5Dmark4などを使って自ら撮影している人なので、そのあたり大目に見てくださいね。
近年はディレクターがカメラを回す機会もかなり多いと思いますので、ある意味そんな人間が使ったら?という程度で受け止めていただければと思います。
 

ざっくりEVA1の仕様

・5.7Kスーパー35 mmイメージセンサー搭載4K/10ビット4:2:2映像 ←やばい
・14ストップV-Logガンマ、広色域V-Gamutカラリメトリのシネマ画質 ←すごい
・デュアルネイティブISO(800/2500)←たぶんすごい
・ハイフレームレート(4K最大60 fps/2K最大240 fps)撮影 ←ありがとう
・レンズはEFマウント ←助かる
・電子式手振れ補正EIS(Electric Image Stabilization) ←これも助かる
・本体重量1.2kg~程度 ←軽い
 
など、おおよそ人数の少ないチームでの撮影から、比較的おおきな撮影まで対応できる素晴らしいカメラではないでしょうか。(ステマではありませんw)
キャノンC200や、Blackmagic URSA Miniみたいなミドルレンジカメラなどと一般には言われていますね。2018年3月時点の実勢価格=80万円くらいで丁度ライバル機と同じくらいです。
 

今回、私がAU-EVA1を選んだ理由

 
・部分的にハイスピード撮影が必須
・編集時の後処理で部分的に4Kをクロップして使用したい
・屋内であまり照明の光量を作れなそう
・手持ちがEFレンズ群である
・レンタル料金が比較的安価
・ワンオペでの機動性がある
・ジンバルのRONIN-Mに載せて使いたい
 
…と、アホほど条件をつけていたのですが、このカメラがジャストハマってくれたのです。
 

AU-EVA1映像制作・動画制作ブログ
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現場で実際使ってみて感じたのは、とにかく軽い。プラモデルかと思いました。

本体のサイズ感も小さめでキャノンの24-105mmレンズなど、たいがいのレンズほうが重いくらいでした。
しかしこれが原因でとある問題も発生。
条件のひとつだったRONIN-Mに載せる時に、本体が軽すぎてレンズとのバランスが取り切れずどうやっても機能しなかったのです。事前に海外の映像でRONIN-Mに載せているっぽい映像があったので、大丈夫かと思ったのですが、ケアレスミスで、その動画ではRONIN-MXに載せていたようです…オワター!!完全に自業自得でしたが!
カメラが軽いおかげで前後のバランスが取れる位置がかなり前方になるので、みなさんは気をつけて下さい。(こんな馬鹿なことする人いないか…)
結果、カメラの後方下部に、バッテリーをテープでくっつけなんとかバランスを出しました、これぞ現場の力!!!
はい、すいません笑
 
なので、ティルトさせすぎるとRONINと干渉したり、妙な振動のブレが発生しやすいなど、ちょっと苦労してしまいました。私、完全にアホでした。
 
しかし、RONIN-MにEVA1を載せられたのは、他でもなくカメラ上部のハンドルが取り外せたおかげです!そしてグリップも取り外せたおかげです!取り外せばBlackmagic URSA Miniみたいな形になります。バスみたいな形です。
しかも、上部に9箇所ものネジが切られており、ケージなどがなくても拡張しやすく作られていました。
 
これ実は、EVA1の付属のモニター(=LCD)が結構見づらく感じ、三脚、手持ち撮影時には、普段使っているモニターを載せたため便利だったんです。
LCDが見づらいのはレンタルで、保護シールが貼られていたことが大きいのですが、それにしてもあまり実用的な感じはしませんでした。
4Kで、シビアなピントあわせには外部モニターを使ったほうが無難かなと思います。(ピントが合っている位置を視覚的に出す機能もあるのですが、私はディレクターという立場上、芝居やムードも感じたいので、あまり使いません)
 
収録の設定は今回納期が短いこともあり、ほぼ完パケまでワンマンで納品だったので、Vlogは使いませんでした。変わりにEVA1にはHLGという独自のガンマが備えられていて、今回は「V-504580L1」というガンマで収録しました。
(なにが違うかはPRONEWSさんの記事など https://www.pronews.jp/special/20180124110005.html を御覧ください。)
 
デュアルネイティブISOということで、光量がすくない本現場では、メインでISO2500の設定を使用。
事前にEVA1のテスト映像をYouTubeで見て、結構ノイズが気にならない印象だったので耐えられるかなと思っていました。
確かにでてきた映像は、ISO2500にしてはキレイな印象でしたが、どうしても240fps(=fullHD画質になる)でISO3200くらいまであげるシーンが有り、編集でグレーディングを行いましたが、そうなるとノイズは結構目立ってしまいました。
私も色んなカメラを使ってきたエビデンスが少ないので、感度の割にスゴイ!なのかどうかいい切れませんが、今回の狙いから言うと、思っていたよりもノイズが多く感じ、正直ちょっと残念でした。しかしかなり細かいノイズで、リダクションをうまくすれば汚い!という感じでもなかったように思います。
 
操作的には、4Kや2K、HDとの切り替え、フレームレートの切り替え、ISOの切り替えなども若干煩わしく感じました。
まぁあまり全てをコロコロ変える撮影はないと思いますので、一般論からははずれますが、変更するたびにメニュー階層にいくつか入って一々変えたり、カメラが設定を変えるたびに再起動したりと、ムズムズする感じは否めなかったです。花粉症ではありません。
 
結果、もう少し準備や撮影、ポスプロに余裕があれば、めちゃくちゃ追い込めるカメラなんだろ~な~、レンタルじゃなくて手元にあるならな~と名残惜しいカメラでした。実勢80万くらいなので、これ一台あれば幅広い仕事がこなせるだろうなと。
 
いろいろ書きましたが、一番参考にさせていただいたのは、PRONEWSさんのこちらの記事ですね。
https://www.pronews.jp/special/20180124110005.html
詳しい!!これ読めばいい笑

WebCMディレクター市原悠 映像制作・動画制作ブログ
著者:市原悠(ディレクター)